Acer KA242Ybmix レビュー、ボタンが背面のモニターを求めて
2020/04/30
上下左右2x2=4画面で使っているモニターを買い替える事にしました。
上側の画面で使うにはOSDの操作ボタンが下にあると邪魔なので、背面にある製品を求めた。
この条件に合致するAcer KA242Ybmixを購入したのでレビューなど。
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Acer KA242Ybmix
今回購入したのはAcerのKA242Ybmixです。23.8インチ、フルHD(1920x1080)、非光沢IPS液晶です。
型番としてはKA242Yの方が正しいかも、KA242Ybmixは日本向け型番みたいな奴だと思う。(英語版Googleで「KA242Y」を検索すると普通にヒットするけど、「KA242Ybmix」だと日本語のページがチラホラ混ざるので)
23.8インチ、フルHD、非光沢IPSだけであれば選択肢は他にいくらでもあります。1万円前半の製品もあります。
もっと安い選択肢があるのに、なぜ1万円後半のこの液晶を購入したか?それは「マルチディスプレイで使用するから(OSDのボタンが背面にあるから)」です。
僕のPCは上下左右2x2の4画面構成になっていて、この液晶は上側に取り付けるつもりで購入しました。
上側に設置するモニターでボタン類が下配置だと下側の液晶に当たってしまうため邪魔になります。それを回避したくてボタンが背面にあるものに限定した結果これになった。
設定を変更して180°回転させるって手もあるんですが……それってなんとなく、負けた気がしません?(配線が不格好になりますし)
もう一つ選択肢としてあったのはiiyama ProLite XU2493HS-3です。
こちらはKA242YにはないDisplayPortがありベゼルもさらに狭そうだったのですが、FreeSyncに非対応。KA242YはFreeSyncに対応していたのが決め手になりました。
このモニターでゲームをする予定はないのですが、新しい液晶を購入した際に他のことに使いまわす可能性がありますし、DisplayPort->HDMI変換は難しい事ではないのでKA242Yに決定しました。
仕様
大雑把な仕様は23.8インチ、フルHD、非光沢IPSで完結します。
細かい部分は以下の通り。ただのメーカーサイトのコピペですが……
パネルサイズ | 23.8型 ワイド |
---|---|
パネルタイプ | IPS 非光沢 |
表示領域 | 527 x 296 mm (画素ピッチ: 0.2745mm) |
解像度 | 1920x1080(フルHD) 16:9 |
表示色 | 約1670万色 |
色再現性 | NTSC比 72% |
視野角 | 水平/垂直 178° |
輝度 | 250 cd/m2 (白色LED) |
コントラスト比 | 1000:1 (ACM 100000000:1) |
応答速度 | 1ms (VRB) |
リフレッシュレート | 48-75Hz |
映像入力 | HDMI 1.4x1、ミニD-Sub 15ピン x1 |
音声 | スピーカー搭載、3.5mm 入力/出力 |
機能 | フリッカーフリー, ブルーライトシールド, フレームレス, FreeSync |
VESAマウント | 100x100mm |
フルカラーではありますが、おそらく6bit+FRCでしょう。(この価格帯でTrue 8bitはありえない)
外観
写真で外観見ましょう。興味ない人は下にダーッとスクロールしてOKです。
箱です。箱の写真なんか要るんだろうか……なんで撮ったんだろう?
付属品はこんな感じで収まってます。この写真は「付属品を片付ける時に元通りの配置に戻すため」という目的で撮影しました、今思い出した。
付属品はスタンド、電源ケーブル、HDMIケーブル、オーディオケーブルです。
こちらが本体。
VESAマウントは100 x 100mm、位置は中央部、奥まったりしておらず平面になっているので使いやすい配置です。100x100対応モニターアームなら相性を気にせず取り付け可能でしょう。
端子類。電源はAC入力(内蔵)です、DC入力タイプだと電源アダプターが邪魔になるので個人的にはAC入力の方が好き。
OSDのボタンは右側の背面、主な操作はジョイスティックなので操作性も良好。
外観はざっとこんな感じ。
実測
実際のスペックを色々確認しました。
色系の確認にはi1 Display Proを使用。個体差などもあるので測定結果は参考程度に。
色系の確認は以下の設定でキャリブレーションしてから実施しています。GPUの色調整は切ってます。
- 白色点: CIEイルミナントD65
- 輝度: 120cd/m2
- ガンマ: 2.2
ちなみにこのモニター、ADC対応です。Acer Display Widgetとかの内部で使うために実装されているのでしょう。
なのでi1 Display Proでキャリブレーションする時に輝度調整やRGB調整が自動で出来ます。
サイズ
液晶単体(フレーム込み、スタンド含まず)の実測値は540mm x 320mmで、下側のフレームは20mm、上と左右は8mmでした。
この情報、マルチディスプレイには大切なのにちゃんと記載してないメーカー多すぎなんですよね……
色域
次の画像はこのモニターの色度図。
実際の性能はsRGBカバー率 94.6%(sRGB比 99.9%)でした。
価格帯から考えるに「普通」の範囲でしょう。良くはないが悪くもない。
ガンマ値
次の画像はガンマカーブです。より直線に近い方が良い。
こちらは実際にグレーのグラデーションを表示したところ。そこそこ綺麗なグラデーションになっていると思います。
もう一つ、redditで面白い画像を見つけました。転載して良い物か分からなかったので元投稿から確認してください。
100%の大きさで表示した際にガンマが理想的な値(2.2)ならグレーで表示される(何らかの色が出てきたらガンマ値がおかしい)、という物です。
次の写真はその画像をKA242Yで表示したもの。掲載できる写真にする過程でちょっと汚くなってますが、実際には問題なく表示されています。
これらの写真はキャリブレーション後の物ですが、キャリブレーション前でもこのモニターのガンマ値は悪くなさそうでした。
色差
次の画像は色差のテスト結果です。
茶色と藍色でΔEが悪化してますが、他はほぼ問題なさそうです。
キャリブレーションしてるからってのもあるんですが……
ユニフォーミティ
ユニフォーミティは次の画像の通りです。
左と上に行くほど輝度が下がっていますが、ワーストでも14%なので問題ない範囲だと思います。
目視で見ても目立つような輝度の違いは分からない。
OSD
OSDで設定できる項目です。
かなり細かい設定が可能で、ボタンが背面でもジョイスティックがあるので操作性も悪くないです。
ちなみにi1ProfilerでADCを使うと設定がリセットされるみたいなので、カラーキャリブレーターを持っている人は設定後に設定値をメモっておく方が良いと思います。
ポイント
良いところ悪いところいくつか。
OSDのボタン
何度も強調している通り、OSDのボタンは背面にあります。
これを理由に評価を下げる人とか居ますが、個人的にはむしろ高評価です。
背面に付いているので上下のマルチディスプレイで使用してもボタンが邪魔になりません。
左右のマルチディスプレイだと不便かも知れませんが、そこは用途に合わせて選ぶべきです。
僕は背面にボタンが付いている機種を求めていて、これがそうで、それを高く評価している。
下側のベゼルは太め
下側のベゼルは20mmです。平均の範囲内ではあるのですが、より細い機種が数多くある時代なのでそれらと比べると太く思えます。
スピーカーとか要らないからもう少しこのベゼルを細くしてほしいという気がする。
せっかく背面ボタンで上下マルチディスプレイに向いているんだから、ここが細くなれば上下マルチ用としてのお勧め度がもっと上がるのに。
(あくまで予想ですが、Acerって同じインチ数の異なるモデルで見た目が一緒=本体の設計や部品を使い回して量産効果を狙ってる……なんて可能性もあるので、その辺の理由もあるかもしれない)
DVIで音が鳴るだと?!
液晶とはあまり関係のない話ですが、僕の環境では面白い事が起きています。
使用しているグラボがDPx3、HDMIx1、DVIx1というDP偏重構成で、しかも唯一の空きHDMIは他の液晶が埋めてしまっています。
なのでこの液晶はグラボのDVI出力から変換ケーブルで接続しているのですが、なんと音が鳴ります。
DVIは本来音声には対応していないはずです。DVI出力の時点で音声信号は載っていないはずだと思っていたのですが……鳴っています、はい。
おそらくグラボ辺りがDVIでも構わず音声信号を載せる(本来なら規格外の挙動)をしているのだと思うのですが、DVIは音が出ないのイメージが強いので驚き。
あまりにも普通に音が鳴ったので1時間くらい気付かなかった。「ん?待てよこの液晶、DVIから変換噛ましてるよな……」「DVIって音鳴らないはずでは?」「待てよ……音が鳴ってる……だと?」みたいな。
(ちなみに、変換ケーブルを噛ましてもグラボはちゃんとHDMIだと認識している)
普段はヘッドホンを使っているので残念ながらこの現象が役に立つことはないのですが、面白いことがあるものです。
「OSDボタンが背面」を求めて
液晶としての画質は悪くないです。値段なりの画質は出ていると思います。
しつこいかも知れませんが僕がこの液晶で気に入っているのは「OSDボタンが背面」というポイントです。
この条件だけなら選択肢はいくらでもあります。ただ、安さを重視するとなると選択肢が急激に減る。1万円前半の製品は全部ボタン類が下……背面に限るとこのモニターくらいの相場になると思います。
(メーカーサイトの写真などから判断できない物は選択肢から除外したので、もしかするともっと安くて条件を満たせるものもあるのかも知れませんが……)
OSDが背面の液晶がもっと増えればいいのに……