Zen2コスパ構成に最適「ASRock B450 Steel Legend」レビュー
Ryzen 3 3300Xのコスパ重視構成用にASRockの「B450 Steel Legend」を買ったのでレビューします。
PCIe 4.0とかフロントType-Cはありませんが、それが要らないならZen2でも問題なく使えそうです。
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ASRock B450 Steel Legend
今回のレビュー対象はASRockのB450 Steel Legendです。X570の時もASRockを使ってますが信者とかではないです。
「いまさらB450かよ」みたいな声が聞こえてくる気がしないでもない。
執筆時(2020-05-31)にB550が発売されてなかったのでB450を選んだだけなのですが、あえてB450を買う理由もいくつかあります。
- B550の発売でB450が値下げされる可能性あり
- B550はZen/Zen+に対応していない (Ryzen 5 1600AFが使えない)
- B450も一部のマザーはZen3対応BIOSが用意される (B450 Steel LegendがZen3に対応するかは別として)
PCIe 4.0とかZen3目当てならB550の方が良いと思いますが、それ以外ならコスパ重視でB450を選ぶのは十分"あり"でしょう。
特に1600AFや3x00G系を使いたい人はB450にする必要があります。
開封
箱です。「AMD Ryzen™ 3000 DESKTOP READY」のシールが貼ってある。
内容物など。
外観
値段はそこまで高くない部類ですが、チープさみたいなのは感じません。
PCIe周り。読者の方々には関係のない話ですが、このSu-57みたいな模様のせいで写真の圧縮率が悪化する……
M.2スロットが2つ、上のスロットはヒートシンク付き。PCIe x16の一番上は強化タイプです。
背面ポート
色の薄いUSB 3.0ポートと、その下のType-CポートはGen2(10Gbps)対応です。
仕様
仕様です。メーカーサイトから気になる部分を抽出。
フォームファクタ | ATX |
---|---|
ソケット | AM4 |
チップセット | B450 |
CPU | Ryzen 1000/2000/3000 シリーズ |
フェーズ数 | 6 |
メモリ | DDR4 x4 (最大: 64G) |
LAN | Realtek RTL8111H (1Gbps) |
PCIe | 3.0 x16: 2 2.0 x1: 4 |
ストレージ | M.2: 2 SATA: 6 |
マルチGPU | AMD: Quad CrossFireX (2-way) |
ファンコネクタ | 5 |
載せるCPUで性能が変わる部分もあるので使いたいCPUに合わせてメーカーサイトをチェック。
個人的に気になるところを解説します。
メモリの組み合わせ
メモリクロックは載せるCPUでかなり変わります。メモコンがCPUにあるんだから当たり前だね!
CPUで変わる部分を色々書くと紛らわしいので、結果だけ。
Zen2(Ryzen 3 3300X)で定格最速のDRx2 3200Mhzは行けます。
Zen2メモリ選び記事のコメント欄で「B450 Steel LegendでDRx4 3200Mhzが行けた」とのコメントを貰ってるので、たぶん4枚刺しの3200Mhzも行けると思います。
Ryzen 5 1600AF(Pinnacle Ridge)は2933Mhzまでです。CPUに合ったメモリを買いましょう。
ちなみにですが、このマザーは最大メモリが64GBになってるので32Gx4=128Gみたいなロマン構成は出来ない。なのでメモリは1本16Gまでの物にしておいた方が無難かも?
(スペック上ではそうなってるけど、メモリコントローラーはCPUにあるんだし出来そうな気もする……試してないので分からない)
M.2の組み合わせ
このマザーにはM.2スロットが2つあります。
上側のヒートシンクの付いている方がM2_1で、下側の付いていない方がM2_2です。両方ともNVMeとSATAが使えます。
M2_1はGen3x4の2230/2242/2260/2280対応で、PCIE4(下側のx16スロット)と排他。
M2_2はGen3x2の2230/2242/2260/2280/22110対応で、こちらはSATA3_3とSATA3_4で排他。
配線ですが、海外のコミュニティが作成した比較表によるとM2_1がCPU直結、M2_2がチップセット経由です。個人的にもそれで合ってると思う。
理由ですが、M2_1はCPUに応じて帯域が変化して、M2_2はSATAポートと排他だからです。
M2_1はZen2だとGen4で認識できる……なんて噂があります。逆にAthlon 2x0GE系とRyzen 2x00G系だとGen3x2までになる。
PCIeの組み合わせ
お次はPCIeの話です。このマザーにはPCIe x16が2本、PCIe x1が4本あります。
上から順にPCIE1(x16)、PCIE2(x1)、PCIE3(x1)、PCIE4(x16)、PCIE5(x1)、PCIE6(x1)です。
x16スロットですが、PCIE1(上側)が強化タイプで帯域はx16です。PCIE4(下側)はスロット形状がx16ですが帯域はx4です。
2x00G系と3x00G系の場合はPCIE1の帯域がx8になります。Athlon系は更に減少してPCIE1がx4、PCIE4がx2になります。
M2_1(上側のM.2スロット)を使用するとPCIE4(下側のx16スロット)は使用できなくなります。
x1形状のPCIeスロットは特に排他とかはありませんが、PCIe 2.0であることに注意。
配線ですが、先ほどの比較表によるとx16形状のスロット(PCIE1とPCIE4)はCPU直結、他はチップセット経由の模様。
理由ですが、まずPCIE1は帯域がx16なのでこの時点でCPU直結です。PCIE4はCPU直結と推測されるM2_1と排他になっているのでこちらもCPU直結のはず。
x1形状の物はGen2なのでCPU直結ではない=チップセット経由、と考える事ができます。
PCIeの帯域はB450故に渋めなので、グラボ+M.2 NVMe SSD+10Gbe NICみたいな欲張り構成は厳しいです。
(グラボをPCIE1、10Gbe NICをPCIE4に刺して、SSDはM2_2に刺せばGen3x2にはなりますが、なんとか全て共存できる……という感じ)
USB
最初に説明しておくと、Gen2 = USB 3.1 (10Gbps)、Gen1 = USB 3.0 (5Gbps)です。
背面のUSBは色の薄い方がGen2、濃い方がGen1です。
ボード上にはUSB 2.0が2つ、Gen1が1つあります。
各コネクタごとに2つのUSBが接続可能なので、USB 2.0は4つ、Gen1は2つまで使えます。
今流行りのType-C(Gen2)はない。
ファンコネクタ
ファンコネクタは5つあります。すべてPWM対応(4ピン)
名前にWP(Water Pump)と付いているもの、要するにCPU_FAN1以外はすべて2A(24W)まで対応。CPU_FAN1は1A(12W)まで対応です。
発光
発光は2ヵ所、チップセットと背面ポートの部分です。
BIOSからOFFに出来るので安心。
Zen2コスパ構成で使える
Zen+用のB450ですが、Zen2でも問題なく使えます。
PCIe 4.0こそありませんが、メモリの定格3200Mhzは問題なく使え、新品で流通している物はBIOS更新しなくても刺せば動きます。
普通の用途だとX570ではなくB450で十分な事もしばしば……
もちろん中身がZen+の1600AFにも最適でしょう。
1600AF、3100、3300Xのような低価格CPUが増えた今、コスパ重視構成では特に有力な選択肢となってくれるはずです。