長尾製作所のM.2 SSD用のファンステイを買った
2019/12/25
M.2 SSDを冷却したくて長尾製作所のファンステイを買いました。
ただ、思ってたより思ってた通りに行かなくて取り付けにあれこれ苦労したのでその話をします。
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M.2 SSDを冷やしたい
「気にしすぎ」と言われたらそれまでなのですが、新しいPCを組むにあたってPCIe Gen4のSSDとか積むので可能な限り冷却したいと思った。
使用しているマザーがASRock X570 Taichiで、大きなヒートシンクが付いてはいるんですが、やはり最強は強制空冷だろうと。
というわけで今回購入したのがこれ、長尾製作所のM.2 SSD用ファンステイ「N-M2S-FSTY」
数少ないファンの平行取付が可能なファンステイです。
普段の記事ならここから組み立てとかの話がダラダラと続くんですが、今日の主題はパーツの組み合わせ次第で取り付けがかなり困難になるという話なので省略。
自分の環境
自分の環境ですが、マザーはASRock X570 Taichi、ケースはNZXT H510、ファンはENERMAX T.B.Silenceです。
CPUクーラーには忍者 五を使用。
ここで引っかかる
このファンステイ、上手く取り付けるのは案外難しい。
CPUクーラー、グラボ、ケースのどこか1ヶ所にでも狭い部分があると引っかかります。
以下、具体例。
オーディオ回路のカバー
最近のちょっと良いマザーを中心に増えてるこれ。オーディオ回路のカバー。
このファンステイ、PCIスロット側に出っ張りがあって、これが余裕でオーディオ回路のカバーに引っかかります。
まずこの辺でほとんどの人が脱落すると思う。
気概のある人はグラインダーでジャーっとやって削りましょう。
どうでしょう?メーカーさん、この辺もう少し削りません?
この出っ張りがあと1cm短いだけで取り付け可能になるマザーはかなり多いと思う。
電源のシュラウド
最近増えてるこれ、電源のシュラウド(隠す奴)
ケースにもよりますが、当たるんだなこれが……
ちゃんと長さを計ってから買った方が良いです。
90mmファンでも余裕で20mmくらいオーバーするので、ATXのシュラウド付きケースだとかなりの確率で当たると思う。
グラボを使わない人なら行けますが、そういう人(性能を求めていない人)がM.2 SSDの冷却を気にするとは思えないし……
グラボ
下側に付けようとするとシュラウドに当たってしまう。なので妥協してグラボをx8スロットに移動、上側に取り付けることにしてみました。
はい。グラボのヒートパイプが邪魔。
(写真だと分かりづらいですが、奥側のファンがグラボのヒートパイプの上に乗っかってます)
AINEXの防振ゴムブッシュでファンを取り付けてます。ゴムの柔らかさのおかげで上には乗っかりますが、実際にはこの状態だとファンがブラブラして良くないのでネジ止め必須です。
で、ネジ止めするとグラボが確実に邪魔になるわけでして……
もう少し垂直方向の調整範囲が大きければ取り付けできるんだけど……
CPUクーラー
ファンステイの横棒を裏表逆にしてCPUクーラー側に出せば良いと思うじゃん?
はい、CPUクーラーが邪魔。
俺の使ってる忍者 五だと当たります。というか冷却力のある空冷ファン(=ヒートシンクが大きい)だとこの方法は無理だと思う。
最近流行りの簡易水冷なら行けたかも知れない。知らない。
取り付け出来た方法
この記事を書いている最中に思いついた方法。
本来であればこのファンはL字になっている部分の内側に取り付けます。
これを、ステイの上に乗っけるような形に変更。
これならファンの厚さ分だけ高さが稼げるので、さっきまでギリギリ高さ不足で当たっていたグラボを回避可能。
更に言えば、本来ならL字の部分が邪魔になって不可能な上方向への取り付けが可能。
なので、グラボをx16に繋いだまま冷却できます。
やったね、上手く行ったよ!
グラボ次第な所はあると思いますが、この方法ならほとんどの人が取り付け出来るはず。
GPUの電源に注意
「グラボ次第な所」とはこういう所です。
今回はギリギリセーフだったんですが、このファンステイ、グラボ存在時の相性がマジでキツいです。
電源ケーブルに関しては逆に3連ファンみたいな大型グラボの方が相性回避しやすいかも。
ケースの横幅に注意
取り付けが出来るかどうかと、ちゃんと性能が出るかどうかは別。
横幅が狭いケースだと、仮に取り付け出来たとしてもファンの吸気面とサイドパネルの隙間が狭すぎる。という事態になるかもしれない。
そうなるとファンがちゃんと空気を取り込めなくなるので冷却力が落ちる可能性が出てくる。
冷却効果
別記事で細かくまとめてますが、この記事でも軽く載せておきます。
ヒートシンク単体の時と強制空冷の時の温度を調べてみました。
室温は20℃、起動してから温度が安定するまで放置しました。
流石に空冷は冷える。
垂直でも多少の効果は期待できる
どうしても取り付けできなかった時の妥協策。
グラボを冷やすように垂直に取り付けしたのでも、グラボに当たった風がヒートシンクに向いて抜ける事で多少の冷却効果は期待できる。
(テスト時は無負荷で長時間放置したのでかなり冷えてますが、実際はもうちょっと温度高めになるはず)
グラボが風向を変更するための風向調整板代わりになっている。ついでにグラボも冷える。
これと同じ原理で、垂直方向にファンを取り付けてダクトでSSDに風を当てるみたいな製品があれば良いなとかふと思った。
取り付けには工夫が必要
このファンステイ、「取り付けめっちゃムズイやんけ!!」というのが素直なところ。
形状がシンプルなので工夫次第でどんな取り付け方でもできるのが不幸中の幸いですが、かなり工夫が必要になります。
本来の方向で取り付けが出来なかったとしても、頭を使って上手く向きを変えれば取り付けできるのでひとまずはOKとしましょう。
ただ、最近のマザーはオーディオ回路のカバーが付いている物も多いので、少し削って取り付けできるように加工しなければならないのは残念な点。ここは改善希望です。
総じて玄人向きかな、という感じの製品。
その代わり、ちゃんと取り付け出来た時の冷却力は期待できます。下手にヒートシンクで頑張るより冷えます。
数少ない平行取付が可能なファンステイなのでチャレンジ精神のある方は試してみてください。