M.2 SATAの発熱ってどうなの?WD Blue 3DのSSDで検証してみた
2020/05/09
今組んでるパソコンとは関係ないんですが、手元にWD BlueのM.2 SATA SSDがあるのでレビューします。
M.2 SATAの発熱ってどうなの?みたいなのをWD Blue 3D NAND SATA (WDS500G2B0B)で検証。
スポンサーリンク
WDS500G2B0B
今回使用するのはWD Blue 3D NAND SATAの500GのM.2です。型番はWDS500G2B0B
もちろんメーカーや製品によって発熱の傾向は異なるでしょうが、おおよその目安にはなるはずです。
外観
パッケ
NANDは4枚、片面実装です。
「WARRANTY VOID IF REMOVED」って書かれてあるのでシール剥がせません。なのでコントローラーとかの素性が分からん。
一応DRAMキャッシュは載ってるみたいです。
DRAMの量は4Gbit=512MByteだという情報があります。SSDに載ってるDRAMは容量の0.1%が多いので、恐らく512MBで合ってると思います。
仕様をまとめるとこんな感じ。(4TBモデルもあるんですが、2.5インチ版のみなので省略)
容量 | 250GB | 500GB | 1TB | 2TB |
---|---|---|---|---|
フォームファクタ | M.2 2280 | |||
インターフェース | SATA 6Gbps | |||
NAND | 3D TLC | |||
シーケンシャルリード | 550 MB/s | 560 MB/s | ||
シーケンシャルライト | 525 MB/s | 530 MB/s | ||
ランダムリード | 95000 IOPS | |||
ランダムライト | 81000 IOPS | 84000 IOPS | ||
TBW | 100 TB | 200 TB | 400 TB | 500 TB |
MTBF | 175 万時間 |
参考: 公式仕様表PDF
仕様は割と普通ですね。コスパ重視なら500GB、耐久性重視なら1TB辺りがおすすめ。
ベンチマーク
ベンチマークをやってみましょう。
検証環境は以下の通り。
マザー | ASRock X570 Taichi |
---|---|
CPU | AMD Ryzen 7 3700X |
クーラー | Scythe 忍者 五 |
メモリ | Crucial DDR4-3200 16Gx2 |
GPU | Radeon RX 570 |
電源 | Corsair RM850x |
OS | Windows 10 Pro (64bit) |
OSはHDDに入れて、検証用のSSDをM.2スロット1(CPU直結)に挿しています。
S.M.A.R.T
CrystalDiskInfoでのSMART情報です。
ほとんどの項目がベンダ固有です。
ベンチマーク
CrystalDiskMark、AS SSD Benchmark、ATTO Disk Benchmarkの3つでベンチマーク
CrystalDiskMark 6.0.2
AS SSD Benchmark 2.0.6821.41776
ATTO Disk Benchmark 4.01.0f1
一応メーカーの公称はシーケンシャルリードで560 MB/sなんですが、CrystalDiskMarkとAS SSD Benchmarkでは350 MB/sほどしか出ず。
ATTO Disk Benchmarkでは500 MB/s出てるので、もしかするとサーマルスロットリングでも起きてたかも……
一応SATA SSDとしては標準的な速度が出ますね。
キャッシュ
HD TuneのFile Benchmarkで150GBほど読み書きしてみてキャッシュの類を調べてみました。
Write(橙線)が開始5GBほどで420 MB/sくらいまで下がるので、SLCキャッシュは5GBほどだと思われます。
ただ、その後も安定して400 MB/sを超えているのでキャッシュが切れても十分高速です。
Read(青線)の最初の方が400 MB/sくらいになってますが、これはサーマルスロットリングです。
温度
X570 Taichiにはヒートシンクが付いているんですが、今回は温度を調べたいのでヒートシンクを外して検証。
マザーむき出し、CPUクーラーはサイドフロー型なのでSSDには風が一切当たらない状況です。室温は24℃
HDTuneのテスト中にHWiNFOで温度を取得してみました。
70℃を超えるとサーマルスロットリングが発生するみたいです。
メーカーの仕様表でも動作時の温度範囲は0℃~70℃となっているので、それと合致しますね。
室温の条件が同一ではないんですが、Corsair MP510(NVMe ヒートシンクなし)なんかと見比べると温度上昇の曲線が似ている。
温度上昇の曲線がNVMe SSDと似ている=M.2 SATAだからって発熱が少ないという訳でもない、という風に思える。
まとめ: 温度は2.5インチより高め
SSDとしては普通の性能です。
ただ、2.5インチ SSDのような外装はないので、その分だけ温度は上がりやすいという印象。
(2.5インチSATAでもケースがプラだと熱いとかなんとか……)
もちろんエアフローなし/ヒートシンクなしというハードな条件での測定なので、実際の利用時にはもう少し低めの温度になるとは思いますが、2.5インチよりは熱そうです。
発熱の大きい順にM.2 NVMe > M.2 SATA > 2.5インチ SATAという感じかな。
M.2なのでケーブルが要らない、省スペースというメリットはありますが、温度を気にするなら金属製のケースが付いた2.5インチSATAの方が良さそうです。