偽物MX-4 vs 本物MX-4
2019/12/25
数日前からThermal Grizzlyの偽物やMX-4の偽物が売られているという情報が飛び交っています。
で、俺の購入したMX-4がもしかすると偽物なんじゃないか?みたいな疑惑があるので、本物と比較してみます。
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偽物グリスにご注意
事の発端はこの辺です。
【拡散希望】Amazon粗悪ニセグリスに対してクマと親和さんから発表!指サックなど本物にはない付属品がついており
、同じセラーからMX-4などの他の有名グリスも出ているので気をつけてください!各国での法的措置も交わす悪徳業者です。リツイート者の中から10名にネコグリス01Rをプレゼントします🐈 pic.twitter.com/jPdso33kJH— 清水 貴裕@ラーメン屋店主風OCおじさん (@Shimizu_OC) December 4, 2019
偽グリスセラーの手口
①最初は本物を売る
②パッケージの工場を突き当ててシリンジ含めて本物を横流ししてもらう
③偽グリスに切り替える
④外見本物の偽グリス誕生
⑤何故か付属する指サックとクリーニング用品— 清水 貴裕@ラーメン屋店主風OCおじさん (@Shimizu_OC) December 4, 2019
この辺の情報から「問題の出品者はMX-4も売っていた」「MX-4も指サック付きが売られているぞ」→「MX-4も偽物が売られている!」という風に話が派生していきました。
MX-4の偽物?
一つ注意点なんですが、清水貴裕氏は「問題の出品者はMX-4も売っていた」「MX-4にも偽熊と同じ付属品が付いている」としか言っておらず、誰も「MX-4の偽物が流通している」とは言っていません。
Amazonランキング上位のMX-4は2つともヘラと指サックが… 4位は偽熊と同じMoneyQuiだし、3位のは中華工場のヘラだし色々とやばい。同じ業者が噛んでいるので偽熊のコピー手法が使われている可能性が高い。ていうか指サック何に使うんだ pic.twitter.com/DUUDAIkGAa
— 清水 貴裕@ラーメン屋店主風OCおじさん (@Shimizu_OC) December 4, 2019
そこから尾ひれはひれが付いて「MX-4も偽物が売っている!」という話になっていますが、"MX-4の偽物"という品物が世の中に流通しているかどうかは正直なところ「わかりません」というのが俺の意見です。
(一方で熊の方は代理店などもハッキリと「偽物が流通している」と言っているので、熊の偽物が流通しているのは間違いないです)
本物を買う方法
「買わない方が良い」だとMX-4を欲しい人が困るでしょうから、俺なりの見分け方です。
ツクモとかドスパラとかパソコン工房みたいなPCパーツショップで売られている物は大丈夫だと思います。
それ以外のショップ(Amazonとか)で買う場合の見分け方ですが、本物を買いたければ正規代理店の販売するものを買いましょう。
MX-4なら「ザワード」、Thermal Grizzlyなら「親和産業」です。
ただし、正規代理店を自称する事は可能なので、正規代理店の名前が書いてあるからと飛びつくのは危険です。
Amazonで買う場合は「Amazon.co.jpが販売、発送します」という記載のあるものを選ぶ。
要するにAmazonが販売しているものを選びましょうという事です。逆に言えばそれさえ守ればまず大丈夫です。
指サックの有無とかで判断する方法がありますが、個人的には絶対に見た目で判断しない方がいいと思います。
「指サックがあるから偽物」とかの噂が広まれば偽物を作る側は指サックの付属しない偽物を売り始める事は明白です。
熊の方も「清水貴裕氏のシールがあれば本物」が今のところ主流ですが、これも偽造シールが貼られた品とかが出てくる可能性があるので確実ではない気がする。
なので個人的には「確実に安心な出品者(=Amazon)から手に入れる」で行くべきだと思います。
偽っぽいMX-4
俺が以前購入してレビューしたMX-4なんですが、無事指サックが付属しており「偽物じゃねぇの?」という感じです。
熊の偽物を売っていた出品者とは別の出品者なのでもしかすると本物の可能性もありますが、念のために偽っぽい奴を返品して正規品である事が明白な物を購入したので比較します。
(返品はAmazonのカスタマーセンターに直接連絡すれば購入から3ヵ月くらい経過していても受け付けてくれます)
パッケージ
偽っぽい疑惑のあるMX-4です。ヘラ2本も要らねえだろとか思ってたらそういう事だったんですね。
本物です、代理店(ザワード)のシールが貼られています。というか本物ってヘラ付属してないのかよ。
指サックはともかくとして、ヘラやパッケージで判別するのは難しいと思います。
公式サイトからの引用ですが、MX-4のパッケージはやたらと種類が多いので。
熊グリスの場合はパッケージやシリンジは本物、中身だけが偽物というパターンだったので、それをMX-4にも当てはめて考えるなら外見で判別するのはほぼ無理ですね。
中身
中身を見ていきましょう。左が偽物(?)、右が本物です。
広げてみました。違い分からない。
特に違いは感じないです。
熊グリスとかは粘度高めなので、比較するとすぐ分かるっぽいんですがね……
追記: 使ってて感じたんですが、本物の方が少し粘度が高い気がする。
指で塗ってると指先にまとわりつくような事がある。単に油分が抜けてるだけかもしれないけど
導電性
テスターで抵抗値を計ってみましたが、どちらも導電性は「ナシ」でした。(このやり方で正しいのかは知らない)
これに関してはまあ当然かなと。グリスに導電性を持たせたかったら銀や銅を配合する必要があります、粗悪品のグリスを売り付けて差額を手に入れたい人達がそれをするとは思えないですし。
ただ、「絶対にない」とは言い切れないので、油断はしない方が良いです。
ベンチマーク
さて、肝心の温度です。細かくベンチマークしてみましょう。
機材は次の通り。
マザー | ASRock X570 Taichi |
---|---|
CPU | AMD Ryzen 7 3700X |
クーラー | Scythe 忍者 五 |
メモリ | Crucial DDR4-3200 16Gx2 |
GPU | Radeon RX 570 |
電源 | Corsair RM850x |
OS | Windows 10 Pro (64bit) |
室温は19℃、エアコンで調整して温度計で確認。CPUクーラーの回転数は最大(800 RPM)で固定。
塗りは均等に塗れるのでマスキングテープを使う方法で統一します。
結果
起動して負荷や温度が安定した状態でOCCTを10分間回したグラフです。
本物の方が少しだけ温度が低い気がしますが、誤差の可能性も捨てきれないレベルなのでなんとも言い難い。
OCCTを回し続けて到達した最大温度と、放置し続けて記録された最低温度のグラフです。
最低温度は同じでしたが、最大温度はほんの少し(0.5℃)差がありました。
ただ、これも正直言って誤差レベルなので判断が難しい。
このグリスは……両方とも本物なのか?ちなみに熊の偽物はめちゃくちゃ性能悪いらしいです。
(時間のない人は9分20秒くらいの所を見ると良いです)
本物を手に入れよう
偽物vs本物みたいなキャッチーなタイトルで釣っておいてこの結果になるのはアレなんですが、正直これ偽物か本物か分かんねーわ……俺の購入したMX-4が偶然本物だった可能性もありますし。
たかだか数百円のためにゴミを買うリスクを背負う必要性も考えられないので本物を買いましょう。
何がやべーって、偽物疑惑ある奴で比較レビューを書いたせいで比較記事を書き直さなきゃいけない事だよ。
ほんとダルい。勘弁してよ……