ADATA XPG SX8200 Pro レビュー
2020/12/03
今組んでるPCはオールNVMe SSDでケーブルレスにしようとしてるので、OS用とは別にデータ用のSSDが欲しかった。
というわけで、ADATAのXPG SX8200 Pro、これの512Gモデル(ASX8200PNP-512GT-C)を購入したのでレビューです。
スポンサーリンク
追記(2020-12-03): 海外のサイトでも記事が上がっていますが、どうやらNANDだけでなくコントローラーまでガチャになったようです。そのためこの記事に記載しているレビュー結果があなたの手元に届いた物と同じである保証は一切ありません。値段は確かに安いですがガチャSSDなのでその事を加味したうえで検討してください。(予算的な制限がないのであれば僕はSamsung 970 Evo Plusを勧めます)
XPG SX8200 Pro
今回購入したのはADATAのXPGシリーズ、SX8200 Proの512G、型番はASX8200PNP-512GT-Cです。
ちなみにProじゃない方のSX8200が存在するので購入時には注意です。
外観
箱です。
中身
512Gモデルは両面実装です。
ヒートシンクは付属してますがクソ薄いです。
今回はマザーボード(X570 Taichi)のヒートシンク使うので付属のヒートシンクは使わない。一応ペラッペラだけど意味はあるらしいです。
中身はおみくじ
これは正直「は?」と思ったところ、パーツ構成がおみくじやで!!
まずは俺の手元にある奴を紹介しましょう。
コントローラーはSilicon MotionのSM2262ENです。これはどの個体でも同じ。
俺の場合はADATA刻印が付いたNANDが載っていました。個体によってはMicron刻印のNANDが載ってるみたいです。
DRAM用のキャッシュにはSamsungの「K4B2G1646F-BYMA」が載ってました。個体によってはNanyaが載ってます。
DDR3L-1866の2Gビット、これが裏表2枚で4Gビット(=512Mバイト)です。
この通り、俺の手元にあるのはADATA NAND+Samsung DRAMです。
個体によって中身が違うみたいで、最低でもMicron/ADATA NAND+Samsung/Nanya DRAMの4パターンがある模様。
DRAMはともかくとして、NANDがおみくじなのはちょっと……
という訳でこのレビューは俺の手元にあるSX8200 Proでの話です。中身がおみくじなので運次第でベンチスコア変わってくる可能性があります。
容量
容量は256G、512G、1T、2Tの4種類です。
容量別の仕様は以下の通り。
容量 | 256GB | 512GB | 1TB | 2TB |
---|---|---|---|---|
フォームファクタ | M.2 2280 | |||
インターフェース | PCIe Gen3 x4 (NVMe 1.3) | |||
コントローラー | Silicon Motion SM2262EN | |||
NAND | 3D TLC NAND | |||
シーケンシャルリード | 3500 MB/s | |||
シーケンシャルライト | 1200 MB/s | 2300 MB/s | 3000 MB/s | |
ランダムリード | 220K IOPS | 390K IOPS | 360K IOPS | |
ランダムライト | 290K IOPS | 380K IOPS | 360K IOPS | |
TBW | 160 TB | 320 TB | 640 TB | 1280 TB |
MTBF | 200万時間 |
参考: データシート(PDF)
2TBだと若干性能が落ちるのは他の製品でもよくある奴です。容量的な問題がなければ512GBか1TB辺りがコスパ的には良いと思う。
リード重視なら512GB、ライト重視なら1TBかな。
512GB
1TB
ベンチマーク
ベンチマークをやりましょう。先の通りおみくじなので構成次第で結果は変わりうる。
検証環境は以下の通り。
マザー | ASRock X570 Taichi |
---|---|
CPU | AMD Ryzen 7 3700X |
クーラー | Scythe 忍者 五 |
メモリ | Crucial DDR4-3200 16Gx2 |
GPU | Radeon RX 570 |
電源 | Corsair RM850x |
OS | Windows 10 Pro (64bit) |
OSはHDDに入れて、検証用のSSDをM.2スロット1(CPU直結)に挿しています。
S.M.A.R.T
NVMeなので取得できる情報はどれも同じです。
温度センサーも特に問題なさそうですね。
新品でも書き込みされた痕跡がある。これは出荷時の検品による物、メーカーに問い合わせて聞いた。
ベンチマーク
CrystalDiskMark、AS SSD Benchmark、ATTO Disk Benchmarkの3つでベンチマーク。
CrystalDiskMark 6.0.2
CrystalDiskMark 7.0.0
AS SSD Benchmark 2.0.6821.41776
途中で速度が上がってるのはSLCキャッシュの都合です。
圧縮機能が搭載されている訳ではない。
ATTO Disk Benchmark 4.01.0f1
ほぼほぼ公称通りの性能が出ていますね。
SLCキャッシュ
HD TuneのFile Benchmarkで50GBほど読み書きしてSLCキャッシュの挙動を調査。
SLCキャッシュの容量は5GBですね。キャッシュ切れると500 MB/sくらいまで速度が落ちます。
SSDに詳しい人とかだと「少なくね?」って思うじゃん?実際なんか少ないんだわこれ。
ASCII.jpのレビューでは20GBくらいあるってテスト結果になってる。他にもいくつかのベンチ結果を見たけど、どのサイトでも容量の5%(512Gなら20GBちょっと)はあるという結果が出ている。
理由分かりませんが俺の個体はSLCキャッシュが5Gです。(追記: あくまで噂ですが、SLCキャッシュの容量は個体おみくじが原因の模様。当たり個体だともっとたくさんあります。)
温度
HD Tuneで読み書きしながら温度のテスト、室温は暖房付けてたので23℃ほど。関係ないんですが最近沖縄に行きました、暖かかったです。
結果です。
サーマルスロットリングがよく分かる温度グラフ。
サーマルスロットリングは75℃くらいから発動するみたいです。発動中のHD Tuneの結果です。
メーカーのデータシート上での温度範囲は0~70℃となっていますが、検証結果を見る限りサーマルスロットリングは75℃からです。
個体おみくじを理解しておこう
リード性能は高めでコスパが優れている……と書きたいところなんですが、個体おみくじでSLCキャッシュの容量が変わるらしいという事を理解した上で買う方が良いと思います。
この値段の物に970 Evo的なパフォーマンスを求めるのは間違っています。とはいえCorsair Force MP510の240GBですらSLCキャッシュが24Gくらいあったのに、なんで512Gのコレで5Gしかないんだよという気持ちにはなってくる。
俺はADATAから製品提供を受けてるとかではないのでハッキリ書きますが、中身は個体おみくじである事を納得してから買う方が良いでしょう。